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打つ スイング編PART2 ダウンスイングのメリット、デメリット

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ダウンスイングは一昔前までは野球の指導の現場では、良く採用されていたスイングでした。もちろん、メリットが
あったからです。しかし、最近では殆ど指導の現場で見かけることはなくなってしまいました。メリットを上回る
デメリットが一般的に言われるようになったためです。

では、そのメリットとデメリットを見てみましょう。


ダウンスイングのメリット

ダウンスイングには以下のようなメリットがあります。

メリット@ ミートポイントに対して最短距離でバットが出る
ダウンスイングはボールを捉えるミートポイントに対して、トップの位置から一直線にバットが出るため、
バット(ヘッド)が遠回りしません。
そのため、ボールを長く見ることができ、振り遅れることなくボールを見極めやすくなります。
これはダウンスイング最大のメリットです。

ダウンスイングで振ってみると、ミートポイントまでバットが素早く出るのが分かると思います。
特に少年野球の選手まだ力が弱いため、スイングが遠回りしやすくなります。こういった子たちに最短距離の
スイングをイメージさせるために上から下に振ることを一時的に指導することは悪いことではないと思います。

メリットA ゴロを転がしやすい
上から叩くイメージになるため、ヒットエンドランなどのゴロが必要とされる場面ではゴロを転がしやすくなります。
但し、あくまでバットに当たればです。(なぜ、このように書いたかはデメリットをご覧いただければ分かります)

ランナーがいる状況でのポップフライはチャンスを広げることも出来ず、ランナーも工夫のしようがないため、ポップ
フライを避けるため、ダウンスイングをするように指導していたという側面もあるでしょう。

メリットB 打球にバックスピンをかけやすい(?)ため打球が飛ぶ
上から下にバットを振るため、ボールの下にバットが入りバックスピンがかけやすいメリットがあると言う方がい
ます。
バックスピンをかければ、ボールは空気抵抗に対して上に上がる回転をするので、浮き上がりやすくなります。
そのため、打球が飛びやすいと言われています。
下の図の青線が横から見たバットの軌道です。


私はこの理論は否定派です。確かに理論上はそうですが、この技術はダウンスイングではとても難しく、別途説明
するレベルスイングの方がまだボールの下に入れてバックスピンをかけやすいと思います。

ダウンスイングでも意識的ではなく、結果的にボールの下にバットが入ることがありますが、この場合殆どポップ
フライになります。(軟式は特に顕著に現れます)

このことを説明したところ、ある親御さんから「王貞治さんはダウンスイングだ」と言われたことがありました。
しかし、動画や連続写真で確認して頂ければわかると思いますが王貞治さんはレベルスイングで振ってます。
ネット上の動画を探したところ、良く分かるものがありました。
参考リンク:http://www.meikyukai.co.jp/member/batter/sadaharu_oh.html
      (王貞治さん写真下の打撃フォームMOVIEをご覧ください)

親御さんに説明したところ日本刀を上から下に振る練習が有名なので勘違いされたとのことです。
あの練習はアッパースイングを矯正するために行っていたようです。

ダウンスイングのデメリット

ダウンスイングがなぜ廃れたか?の理由であるデメリットを説明します。

ダウンスイングのデメリット@ ミートポイントが点となる
ダウンスイング最大のデメリットです。
まずは以下の図を見比べて下さい。

図:ダウンスイングのミートポイント

図:レベルスイングのミートポイント


ダウンスイングの場合、ボール捉えるポイントは図のとおり、一か所のみです。このポイントがずれれば、バット
に当たらないもしくはこするようなバッティングになります。
かたや、レベルスイングの場合、図のボールの位置から多少ずれても、スイングの軌道ががボールの軌道に近い
形になっていますのでポイントがずれてもボールを捉えることができるのです。
ボールは線のイメージで捉えることでミートする確率を上げますが、ダウンスイングは点で捉えてしまうので、
ミートの確率が低くなってしまうのです。
「ミートポイントが点であっても、ダウンスイングのメリットで書いてあるバットが最短距離に出るのでボールを見る
時間が長くなるからミートもしやすいのでは?」という意見もあるかもしれません。


しかし、中学生であれば、100m/h〜120km/h、高校生以上であれば130km/h以上の球速で向かってくる丸いボールを
丸いバットで更に点でミートするという技術の難しさは、ダウンスイングのメリットを打ち消すデメ
リットだと言えます。


もう1点問題なのは、インパクトの項目で説明している飛距離を出すために必要なボールを押し込む動作がしにくい点です。
飛距離を出すためには捕手側の手でバットを水平移動させるイメージで押し込む動作をしてあげなければいけませんが、
ダウンスイングはスイング軌道の特性上、その動作が難しくなります。


尚、元巨人の清水隆行選手などはかなり珍しいダウンスイングの成功者だと思います。

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