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ランナー満塁 ホームスチール(トリプルスチール)

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2011年夏の甲子園で習志野高校が対静岡高校戦で見せたプレーをベースに説明します。
私は初めて見た戦術ですが、習志野高校は見事に成功させていました。
難易度の高い戦術のため、成功に必要な条件があります。


プレーの概要

まずはプレーの概要から説明します。
7回2死満塁で2対1の場面で仕掛けた戦術です。打席には4番打者でした。(これも凄い)
カウントは1ボール0ストライクです。

ランナーの動きがよく分かる動画yutubeにあったので、こちらをご覧ください。

見事に成功してます。
それでは、この戦術を成功させるためのポイントを説明します。

3塁ランナーの動き

このプレーにおいて最も重要なのは3塁ランナーの動きです。
ホームスチールが成功しなければ意味がありません。

ご覧頂ければ分かる通り、3塁ランナーはホームスチールするような素振りは見せずにほぼ棒立ちでリードを取っています。
3塁ランナーは投手が右足を上げる直前にはスタートを切っています。恐らく、セットに入ったら1テンポ置いて投げる癖があり、それを
習志野高校は見抜いていたはずです。
そのため、非常にスタート良く走っています。

また、3塁ランナーのリードの取り方と帰塁で説明していますが、基本通り3塁ランナーはファールグラウンドにリードを取っています。
そこからスタートと同時にライン上に切り込んで直線的に走っています。
最短距離を走るための基本に沿った素晴らしい走塁です。

但し、ランナーだけの動きではこのホームスチールは成功していません。

成功した要因

このプレーが成功したのには、上記にプラスして以下の要因があります。
@投手が左投手
相手投手が左投手であったため、3塁ランナーの動きが見えていませんでした。
これが右投手だと足を上げる前にスタートするのは牽制のリスクもあって出来ません。
また、スタートしたと同時に急いで投球する可能性も高くあります。

A投球モーションが大きい
足をゆっくり高く上げており、大きな投球モーションで投げています。
これにより、右足をおろす頃には3塁ランナーは3塁と本塁の中間ぐらいまで走っています。

Bサードがベースから離れている
2死満塁のため、スクイズなどの戦術の可能性がないのでヒットゾーンを狭めるため、サードはベースから離れて更に3塁ベース後方の
守備位置についています。
そのため、3塁ランナーは通常より1,2歩リードを大きく取れています。
但し、大きく取り過ぎると相手に警戒されるので要注意です。

C打者が右打者であること(20120810ロク様ご意見加筆)
右打者であると3塁ランナーの動きが捕手から重なるため、ブラインド効果を果たしています。
また、捕手は一瞬ランナーのボーンヘッドで飛び出したと勘違いしてアウトコースに外しています。
これが左打者だとアウトコースに外すと3塁ランナーにタッチしやすくなります。

3塁ランナーの動きと癖を見抜いていた点、そして上記4点の要因があって成功したプレーと言えるでしょう。

更に凄い点

見逃した方は再度動画をご覧頂きたいのですが、1塁ランナーの動きをよく見て下さい。
わざと挟まれるように飛び出した状態で止まっています。

この動きの狙いは一二塁間のランダウンプレーに持ち込んで、その間に更に3塁に進塁したランナーの本塁生還を狙っています。
つまり、この1プレーで2点を狙おうとしていた訳です。

結果的に送球してきそうもないので、1塁ランナーは2塁に進みましたが、「習志野恐るべし」といったところです。
脱帽もののプレーです。
恐らく、日頃から練習しているのでしょう。

簡単には成功しない非常に高度なプレーですが、得点の入りにくい満塁のケースでは選択肢として頭に入れておきたい戦術です。

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